原点
スタッフが載せたカット練習の写真。
なかなか綺麗なカット。
髪が多く、難しいカットだったと思うが、とてもうまくできています。
最近はもうすっかり、私自らカットを教えることはありません。
教育者向けにデモンストレーションすることはありますが、直接アシスタントに教えることはないのです。
それだけに、出来栄えがいいと「成長したな」なんて感慨深いものを感じます。
私は現場の職人になりたくて美容師になりました。
お店を持つ気もなく、独立する気もありませんでした。
次男なので、実家に帰る気もなく。
横浜でずっと生活する気でした。
つまり、経営者になる気などなかったわけです。
いつもヘアースタイルを作っていること。
作品としての写真を撮り、自分を表現したかっただけ。
それだけに、技術的にスタッフが成長している姿を見ると嬉しくなります。
私は成り行きで経営者になってしまいましたが、心はいつまでも技術者。
いつまでもいい作品に囲まれていたい。
現場を離れ、物作りの原点から離れてしまうのは寂しい。
でも、受け継がれるものがある。
それが、私の使命だと、最近は割り切っている。
大事なのは、この仕事を始めた原点を忘れないこと。
私は鋏を置いたとしても、いつまでも美容師だということです。
