宝物

2016/10/14代表ブログ

宝物

「ありがとう」の言葉にひかれてつい買ってしまった。

私は「ありがとう」の言葉を使い慣れていない。

最近はこの魔法の言葉「ありがとう」をたくさん使うように心がけている。

今は「ありがとう」って言っても何も返ってこないことの方が多い。


ありがとう

ありがとう

ありがとう

ありがとう

声に出して言ってみる。


なぜか子どもの頃のことを思い出した。

私が小学校1年生の遠足の時だ。

私の両親は共働きで、たぶん付き添えなかったのだろう。

その時の写真に写っているのは6年生の兄だ。

兄と2人でその時に買ってもらった「ポンポン船」を誇らしげに持って写っている。

小学校6年生といえば、まだ本当に子どもだ。

今、私は兄と休みが違うので、なかなか一緒に過ごすことは少ない。

それほど仲がいいとも言えない。

でも、この時のことを思い出すと、「兄弟の絆」「家族の絆」を心の底にじわっと感じる。

「ありがとう」


やはり小学校低学年だったと思う。

庭で一人で遊んでいると、母が家から出てきて10円玉を磨いてくれという。

黒ずんだ10円玉を砂でこすると、だんだん赤褐色の銅の色になってくる。

「ほら、綺麗だろ。」

2人で並んで、10円玉を庭の砂で磨いている。

記憶がぼんやりしているが、多分母は私と遊んでいるつもりだったのではないか。

いつもは大勢で遊んでいる私が一人で遊んでいたものだから、ちょっと気を使ったのかもしれない。

この時のことを考えると、胸がじわっと酸っぱくなる。

「ありがとう」


なんとも、人には何も感じられないような出来事です。

でも、私の中ではものすごく胸の奥深くに、大切にしまわれている記憶です。

時々、ふっと顔を見せる宝物です。