村上春樹

2005/05/07代表ブログ

村上春樹

最近、経営関係の本ばかり読んでいた。読んでも読んでも、自分が関心のある本というのは飽きないものだ。 おかげで、瞬く間に本棚が一杯になってしまった。小説のようなものは、なかなか読み進まないものだが、ドキュメント関係はぐいぐいはまってしまう。おかげで少々、寝不足気味でもある。 そんな折、久しぶりに「村上春樹」を読むことになった。大学2年生のとき「風の歌を聞け」をバイト先の上司に薦められて以来、その全てを欠かさず読んできた作家だ。その一部はTHETAに置いてありますので、良かったら読んでみてください。 といっても、いまや、村上春樹を知らない人はいないので、よんでいる人はすべて読んでいるだろうし、読まない人はまったく関心ないでしょう。 村上春樹は、短編が最高です。長編では個人的に「ハードボイルドワンダーランド」が大好きです。短編集「カンガルー日和」は思いつくと取り出している大切な一冊です。 さて、最近読んでいたのは、「象の消滅」(彼の短編選集で1980から1991までのもの)です。もう何度も読んだ作品ばかりですが、何度読んでもにんまりしてしまう文章です。彼の文章の中には、彼独自のニュアンスが漂い、微妙に自分の感性と引き合うのです。



その中でも、好きなのは「ファミリーアフェア」です。みんなはどう思うか判りませんが、私には兄と妹のお互いに対する愛情がすごく良く伝わってきます。兄の寝るシーツが、清潔でしわ一つなく用意されていることにほっとするのです。 「羊をめぐる冒険」を読んでいる頃、村上春樹のちょっとはすに構えたジョーク(感性)は、一般受けしないかと思っていましたが、「ノルウェーの森」で大衆化してしまって残念でした。ひねくれた私は「ノルウェーの森」だけは好きになれませんでした。春樹さんごめんなさい。 村上春樹の小説を読んでいると、ビールが飲みたくなったり、コーヒーが飲みたくなったり、カリカリに焼いた肉汁たっぷりのハンバーグを食べたくなったりします。 実際、大学の唯一の親友Y.Kとは毎日下北のバー、狛江の居酒屋に通い詰め、ひと夏に25メートルプール一杯分のビールを飲み、バーの床25センチ分のピーナッツを敷き詰めていました。バイトの帰り、浜松町から、東京タワーの下を通り、渋谷まで歩き、始発まで飲み明かした。実らない恋をし、原宿の電話ボックスで投げやりになり、朝焼けにゲロしていた。 懐かしいなー。何であんなにまともじゃなかったんだろう。21歳、今の新入スタッフくらいの歳だ。時代かなー。みんな本当にまともだ。健全な考えを持っている。 さて、ビルエバンスがワルツフォーデビーを演奏しだした。一杯だけハーパーをロックで頂き、2005年の健全なシーツにくるまって寝るとしようか・・・