知的好奇心
数学を専門とする大学教授が小学生に算数の授業を行った。
じゃんけんで勝つ確立を高める方法、誕生日をぴたりと当てるゲーム、思いどうりの結果を出せるあみだくじ・・・。
高度な数学の法則を利用した身近な現象を,小学生に理解できる平易な言葉で説明し、児童からは感嘆の声。教科書を使った通常の学習とは一味違う「特別授業」を受けた子供たちは「どうしてこうなるのか、家で考えてくる。」と知的好奇心を大いに刺激されたらしい。
常々、教育とは自ら学んでみたいと思わせることが出来れば、その80%は達成されていると考えている。が、なかなかこれが難しいのだ。
最近能力開発系の本が目に付く。
自分が関心があるからかもしれないが、「大人のドリル」などは確かに楽しく脳と活性化できそうだ。
私は学生時代、どちらかというと理系のほうが好きで、特に化学、物理が好きだった。実験があり、その結果について検証する。実験の結果の不思議さに心奪われる。なぜなんだろう、が大好きだった。
反面、歴史、地理、など憶えなくてはならない物は嫌いだった。なぜか政治経済はすきだったが。
私は今、歴史が大好きです。2,3年前に「宮城谷昌光」さんの「王家の風日」に出会ってからだ。そこには人、社会、善、悪、真実・・・ありとあらゆるものが詰め込まれていた。
それからというもの、「菅仲」「太公望」「青雲はるかに」「奇貨おくべし」・・・片っ端から読んだ。「史記」「三国志」「項羽と劉邦」・・・
よくある経営本、自己啓発本、心理学・・・そんな本のなかに難しく書かれていることが、実にドラマチック描かれている。
日本の歴史も好きになった。特に織田信長が好きだ。とても破天荒で、誰にも似ていず、非常にドラマチックに人生を作り上げている。
新撰組も好きだ。映画「壬生義士伝」は、是非お勧めします。
歴史が嫌いだった自分がこんなに歴史を好きになるなんて、自分でもとても不思議でしたが、もし学生時代、こんな風に歴史を学べたらもっと違う人生だったかなと思う。冒頭に書いた数学の例、理科の実験、事実だけを暗記するのではない歴史の奥深さ。
学習とは本当に楽しく、そして役にたつものだと感じたとき、学生時代の勉強は大きくブレイクスルーしただろう。
今も、仕事を通してさまざまなことを学んでいる。
美容の技術も、テクニックからしか見なかったら本当の楽しさは見えてこないだろう。
あらゆる自分が興味を持てる手段を一つの材料にして感性を育て、自分にしか出来ない美容のあり方を模索していくことに、学習のたのしさがある。
経営を勉強する。財務諸表を読めるように勉強する。
決算書を読めるようにするのに、その手の本を読むことは結構つらい。
ためしにお小遣いで、株を買ってみる。
ここにも、市場心理が働いている。
いい株を買うためには、いやでも財務諸表と格闘しなければならない。
しかし、これが結構嫌ではない。
そこにとても複雑な社会の仕組み、人の心理が働いているからだろう。
そして、それが自分の力になっていると実感できることがプラスのエネルギーになっているからだと思う。
実社会においては、学習は全て実践に応用され、活かされることによってさらに次の展開に結びつく。「人」そのものが進化し、自分の夢、後輩の夢、お客様の夢、社会の夢に大きな影響を与え続けていかなければならない。
これからも、楽しくいろんなことに興味を持ち、自分の血肉にしていくことを人生の課題とする。