美容師の魅力とは?
若い頃は、とにかく技術の習得にすべての時間とお金をかけていました。
絵を習ったり、写真を撮ったり、美術館に行ったり、感性を磨くことにも十分な時間をかけました。
もともと、好きだったのでそもそも仕事をしているという感覚はありません。
3度のご飯よりも、練習をしている方が好きでした。
美容師とはそんな人種ですから、とても狭い世界の中で生きています。
それは先に書いたように、多分に「職人」であることが要因だと思われます。
職人はその技術がまず大前提です。
初めの頃は、とにかくうまいことがステータスです。
でも、だんだん気づいてきます。
上手いだけでは認めてもらえないことに。
特に最近は、お客さまも人に会いに来る感覚があります。
上手いことが大前提ですが、それ以上に相性、フィーリングのようなものが重視されています。
日本人の平均年齢が47歳。
20代でデビューしても、お母さんやお父さんのような方たちを相手にしなければなりません。
本を読まず、自分のテリトリーから出ることが無く、新しいことが嫌い。
知らない人、初めての人との関わりを嫌う。
リーダーはやりたくない、または自信がない。
出来れば、メールで済ませたい。
何時間もずっと人とかかわるお仕事である美容師は、お客様に嘘をつくことは不可能です。
どんなにつくろっても、必ずその人の本質は見抜かれます。
故に、普段から自分自身を内面から育てていく必要があります。
きちんとしたものをきちんと食べる。
挨拶はきちんとする。
靴をそろえる。
本を読む。
手紙を書く。
人に感謝し、人のために仕事をする。
親からの援助は受けずに、自立する。
外の世界を見る。
お金を払って本物のサービスを受ける。
美容師に限らず、世の中はその当たり前を必要としています。
理想は、家庭でその教育ができることです。
でも、学校も含めて、それが不可能な今の世の中、
仕事の中で育んでいかなければならないようですね。