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1996年2月29日、銚子市でゼロから開業した日のこと

2026/07/12代表ブログ

1996年2月29日。


場所は千葉県銚子市。

知り合いは誰もいない。既存のお客様は一人もいない。看板を出しても、誰も来てくれる保証はない。

資金も、実績も、人脈も、何もないところからのスタートでした。


それでも、何も怖いものはありませんでした。

だだできることをやる。

そして、それ以上に「自分を試したかった」という気持ちの方が強かった。上場企業を辞め、23歳で美容学校に入り直し、横浜のサロンで必死に技術を身につけた。その全てを、自分の力で形にしてみたかった。


もう一つ怖く無かった理由は、開店当日に横浜のスタッフが20人ほど応援に来てくれたことです。

開店キャンペーンとして「カット無料」のイベントを行いました。

14坪の狭いサロンに隣のデパートで買ってきた椅子を並べて、4時間で136人ものお客様をお迎えすることができました。

私にとって何よりの「開店祝い」です。

これが「仲間を信じる」というマインズの軸になっています。


その後の2ヶ月は帰りが夜中の12時と言う毎日でした。

身体はクタクタでしたが、楽しかった。

「働き方改革」など全く考えつかない時代です。

華やかさとは程遠い、泥臭い日々。

でも、待っても、遅くなっても来ていただける一人ひとりのお客様が、次のお客様を連れてきてくれました。

SNSもホットペッパーも無い時代に口コミという、最も誠実な縁が、少しずつ広がっていきました。


横浜のサロンで教わったことを、ずっと思い出していました。

「うちは美容業だけど、実は教育産業なんだよ。」

技術を伝えることを通して、人としての在り方を伝えていく。その言葉が、何もない銚子の小さな美容室で、私を支え続けてくれました。

美容師を育てることを通して、人生を豊かに生きられる人間を育てる。それが、マインズという会社の核になっていきました。


あれから30年。

いまでも、2月29日という日付を見るたびに、あの朝のことを思い出します。開店前、誰もいない店内で、一人で深呼吸した、あの静けさ。

あの日の自分に言ってあげたいことがあるとすれば、ひとつだけ。

「諦めなければ、ちゃんと辿り着くよ。」


一人、またひとりとスタイリストデビューするスタッフの笑顔と、それを抱き合って喜ぶ先輩の姿を見るとき、

自分のやっていることに確信を持つことができています。


MINDS代表 池田 浩